いろは綜合法律事務所

TEL:072-972-1682お電話によるお問い合わせ受付:平日 10:00~18:00

借金問題・債務整理コラム集

破産の資格制限

破産・免責手続きは、借金を原則、チャラにするという生活再建にとっては、非常に強い効果を有しています。
しかし、その一方で、自己破産することによる多少の不利益が生じる場合も法は規定しています。

その一つが資格制限です。
資格制限とは、破産・免責手続き中は、特定の職業に就くことが禁止されることです。

自己破産手続きが開始することによって、具体的に就けなくなる職業は、それぞれの法律に規定されてあり、約100種ぐらいあります。
例えば、弁護士・税理士などの士業、保険の外交員、警備員等が有名です。
なお、会社の取締役も以前は、資格制限職種でしたが、先日の新しい会社法制定で、資格制限職種からは外れたので、破産しても取締役は続けられます。

では、これらの職業は一生、就けないのかというと、そうではありません。
復権すれば、就くことが認められています。
復権とは、読んで字の如く、権利を回復することですが、具体的には、借金がチャラになる免責決定を得れば復権します。
したがって、問題のない事案でしたら、約6ヶ月だけ、資格制限が生じるということになります。

しかし、6ヶ月でも、資格制限に該当する職業に就けないというのは大問題です。
なぜならば、その6ヶ月間、その仕事ができないので、転職するか、会社に配転(例えば、保険の外交員を内勤にしてもらう)してもらわない限り、収入の途を閉ざされてしまうからです。

そして、自己破産を申し立てる人は、基本的に貯金を有していませんので、働いて生活の糧を得なければ、その日の生活をしていけません。

したがって、資格制限にあたる職業に該当する場合は、このような資格制限のない任意整理か個人再生を選択するということをまず考えます。
しかし、これらの手続きは支払い原資がなければ取り得ませんので、必ず取り得るというわけではありません。

そこで、自己破産の資格制限に該当する方の場合には、申し立てる前に、転職して新たな収入源を確保するか、退職しても親族からの援助が期待できるというような場合しか、自己破産を選択できないということになります。

したがって、自己破産のご相談の場合には、この資格制限という問題があることから、ご職業を必ずお聞きします。

<< 前のページに戻る