借金問題・債務整理コラム集
ブラックリストの謎
債務整理の相談を受けていて、一番良く聞かれることは、ブラックリスト(信用情報)についてです。
相談される方の8割ぐらいの方は、ブラックリストについて何らかの質問をされます。
ただ、このブラックリストについては、かなり、ブラックボックス的な所があり、正直、弁護士にも、よくわからない所がたくさんあります。
そこで、私は、わかる範囲では、わかることを伝え、わからないことは、正直に、よくわからないと伝えるようにしています。
以下、ブラックリストについて、よく聞かれる点を書いてみます。
① ブラックリストに載るとどうなるのか?
お金を借りたり、ローンを組んだりすることができなくなります。
ただ、一生、そうなのかというと、そうではなく、およそ5年~7年の間だと言われています。
② お金を借りたり、ローンを組めなくなる以外に、その他の効果はあるのか?
特に、その他の効果はありません。
怖い人が自宅や職場に押しかけてきたり、電話してくることはありません。
また、ブラックリストに載ったことが、会社や職場に知れることもありません。
③ ブラックリストに載ると、配偶者や親、子供などもローンを組めなくなるのか?
そんなことはありません。
リストに載った人が借金できなくなるだけであり、家族だから、一緒に住んでいるからと言って、その他の人がローンを組めなくなるということはありません。
④ ブラックリストに載ると、必ず、借金ができなくなるのか?
はっきりとは、よくわかりません。
信用情報機関は、5つぐらいあり、およそ、銀行系、信販系、サラ金系の3系統に分けられると言われています。
したがって、サラ金の債務を整理したことによって、サラ金系の信用情報には載っても、信販系や銀行系の信用情報には載らないので、それらではお金が借りられることがあるかもしれません。
しかし、一方、これらの信用情報機関は、それぞれが事故情報を共有しているという噂もあり、どこか一つに載ると、全ての信用情報機関の知るところになり、借金できなくなるという噂もあります。
ここらへんは、ブラックボックスであり、あまり、はっきりしません。
⑤ ブラックリストに載るのを避けるため、任意整理はやめておいた方がよいのか。
ブラックリストに載っても、5年~7年お金が借りられなくなるだけです。
一方、任意整理をすると、高い利息を支払わなくてよくなりますし、払いすぎていた利息も返ってくることがあります。
そもそも、ブラックリストに載ることを恐れて、任意整理を躊躇していても、利息ばかり払う状態が続き、元本は、一向に減りません。
そうすると、返済のために、また他の業者から借り入れするということになります。
そして、このような自転車操業は、いずれ破綻することは確実です。
そうなったら、その時点では、もう、他から借り入れるということもできなくなります。
したがって、ブラックリストに載り、借金ができなくなることを恐れて任意整理を躊躇していても、いずれは借金ができなくなるのです。
そして、その時点では、おそらく、もう任意整理も不可能です。
したがって、絶対に早期に、任意整理をすべきです。
よって、ブラックリストを恐れて、任意整理をやめておくというのは、絶対によくありません。
借金の返済がしんどくなってきたら、ぜひ、早期の任意整理を。
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