いろは綜合法律事務所

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借金問題・債務整理コラム集

失踪する前に

法律相談を受けていると、時々、借金を抱えた家族が急に失踪して、借金の請求が残された者にも来るのではないかと心配になって、相談に来たという方がおられます。

借金の請求は、借りた者にだけ来るのが原則です。
ですので、家族だからというだけで、肩代わりをして返す必要はありません。

ただし、ご家族の誰かが、保証人になっていたならば、その人も返す責任があるので、その方にも請求が来ます。

特に、住宅ローンの場合は、ほとんどの場合、配偶者が連帯保証人になっていると思われるので、返す責任が生じてしまいます。
失踪の場合は、死亡の場合のように、団体生命信用保険の適用もありませんので、住宅ローンが生命保険金でなくなるということもないので、特にやっかいです。

また、失踪された方が、その後どこかで死亡した場合には、相続が生じ、借金も相続の対象となりますので、相続放棄しない限り、返さなくてはなりません。

そして、相続放棄は、死亡の事実を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述しなければなりません。
しかし、失踪していたら、いつ死亡したのか、そもそも死亡しているのか自体がなかなかわかりません。
その結果、いつから、死亡の事実を知っていたのかの紛争に相続人が巻き込まれる恐れがあります。

確かに、失踪する人も、借金の取り立てで追い詰められて、悩んだ末に失踪という結論に至ったことはわかります。
しかし、失踪した人は、違う地で、違う名で、新たな生活を送ることができたとしても、残された家族が、このように様々なトラブルに巻き込まれる危険があることをも思い起こしてください。

失踪する勇気があるなら、その勇気を弁護士に相談する勇気に代えてください。

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