いろは綜合法律事務所

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借金問題・債務整理コラム集

債務整理の強い意志

借金問題に限ったことではないですが、多重債務の当事者ではなく、親や配偶者等、その親族の方から相談や質問を受けることがあります。
親族の方がご本人のことを心配される気持ちはよくわかりますので、もちろん、その質問には、できうる範囲で答えるようにしてます。

しかし、そのご親族の方から、「では、債務整理をしてやってください」と言われても、ご本人さんが事務所に足を運んでもらわないことには、それはお受けできません。

なぜなら、そもそも、ご本人さんが債務整理を希望しているかわかりませんし、なにより、本人が、借金の問題を解決するという強い意志がないことには、解決はありえないと考えているからです。

過払い状態になっている場合以外は、任意整理をしても、借金がゼロになるわけではありません。
そうすると、3年なり5年なり、分割で、残債務を毎月返済していかないといけないわけです。
この長期の分割の返済というのは、思った以上に大変なものです。
本人に、合意内容に従って返済するという強い意志がないとなかなか果たすことはできないものです。

小学生のころ、先生に「家に帰るまでが遠足です」とよく言われたように、借金問題も、合意したらそれで終わりというわけではなく、合意内容に従って、それを履行するまでが、債務整理だと考えています。

そこで、この長期分割返済をやりぬく覚悟があるかを見せてもらうためにも、やはり、ご本人さんに一度、事務所に来ていただいて、その覚悟を聞かなければと思っています。

一部の弁護士事務所や司法書士事務所は、とりあえず、任意整理の合意さえまとめあげたら、それで終わりということで、本人と面談もせずに、メールだけで大量に任意整理を機械的に処理するところもあると聞きます。
しかし、果たして、それが正しい任意整理の方法かというと、私はそうは思いません。
そのように、安易に面談もなく任意整理すると、分割返済でも安易に破綻を来してしまうのではないかと思っています。

もちろん、近くに弁護士がおらず、どうしても弁護士事務所に行けないということもあるでしょう。
そのようなやむを得ない事情がある場合にまで、電話やメールでの連絡による任意整理を否定する気はないですが。
各人には、それぞれ個別の事情があるのに、それを無視して、機械的に処理することが問題だということです。

しかし、そのような来所できない正当な事情が無い場合には、面倒かもしれませんが、やはり、直接、本人に来所していただいて、お話を聞くということにしています。

ところで、本人の借金の問題を心配してくれる親族がいるということは幸せなことだと思います。
自分のことを気にかけてくれる人がいるのですから。
それらの人の期待を裏切らないためにも、勇気を出して、弁護士に相談することが、新たなスタートの第一歩なのです。

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