いろは綜合法律事務所

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過払い金返還請求コラム集

過払いの時効はいつから?

以前、T社に対して、過払い金返還交渉をしたところ、平成10年以前から発生している過払い金は時効消滅しているとして、個別進行説(過払い金は、発生するごとに消滅時効が進行するという考え方)を主張されたということをご紹介したことがあったと思います。

交渉では埒があかないので、この事案は、訴訟提起となりました。
そして、ダラダラと期日を延ばされるのがイヤだったので、他の方のT社に対する過払い請求と併合して、訴額を140万円以上にして、地裁に提訴しました。

その後、T社からは、お決まりの「詳細は、現在、調査中である」との答弁書が出されて、1回目の期日は、次回期日を決めるだけのものに。
その後、2回目の期日の前に、T社から電話があり、何ら時効消滅の主張もなく、請求額ほぼ満額の提示があり、和解となりました。

結局、個別進行説の主張は、やはり、交渉段階でのブラフに過ぎなかったようです。
個別進行説に対する準備書面も用意しはじめていたのですが、何か拍子抜けでした。
しかし、ダラダラと裁判が続かず、和解で満足いく結果が得られたので、良かったです。

ところで、来年の1月に、この過払い請求の時効の起算点(いつから始まるのかということ)について、最高裁で弁論が開かれるそうです。
最高裁で弁論が開かれるということは、あまりなく、弁論は、高裁の判決を変更する場合などに開かれます。

そして、今回、この弁論が開かれる事件の高裁判決は、サラ金側に有利な個別進行説を認めたものだそうです。
とすると、弁論を開くということは、最高裁が、初めて、時効の起算点について、個別進行説を排斥する判断をするのではと言われています。

過払い請求者側に有利な取引終了時説(サラ金との取引が全て終わった時点から過払い金請求の消滅時効は始まるとの考え方)又は弁護士受任時説(弁護士に過払い請求を依頼した時から消滅時効は始まるとの考え方)が最高裁で判決されることが期待です。

最高裁判決が出れば、交渉段階でも、個別進行説をサラ金側が主張してくることも減り、少しは早期解決につながるのではと期待しています。

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